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2010.09.11

【滋賀】琵琶湖一周の汽車旅

旅仲間のユキちゃん(仮名)と今夜は久しぶりに飲む。
赤提灯が灯るまでかなり時間がある。それまで列車で琵琶湖を一周することにした。
京都駅から湖西線の普通列車に乗る。次の新快速敦賀行きを利用したほうが速いが車内でゆっくり麦酒を飲むなら空いている各駅停車の方がよい。発車を待つのは国鉄117系電車で登場から30年近く経っている。草臥れてはいるが、雰囲気はぶらり旅にもってこいである。

扉が閉まって電車はゆっくり京都駅を離れる。さあ、一献始めよう。今日はお疲れ様。旅を始めたばかりなので疲れてはいないが、とにかくお疲れ様なのである。冷えたシルクヱビスで乾杯する。
スピードが乗り始めるとすぐ東山トンネルに入る。暗闇を抜けると雄大な築堤の上を心地良いモーター音を響かせて電車は快走し山科駅に至る。麦酒はすでにない。たった一駅で500mlが空だ。不経済であるが飲んでしまったものは仕方がない。次の大津京で後続の新快速と連絡するからその隙に売店に行ってこよう。
大津京駅の改札の方へ行ってみる。残念ながら売店は改札外であった。店員の姿が見えたら声をかけようと思うが人の気配がしない。車内に戻ってユキちゃんに買えなかった旨を伝える。この先、湖西線内はどの駅も改札を出ないと麦酒が買えない。
米原まで我慢することにして、他愛もない雑談をしつつ、電車の方は勝手に進んでいく。琵琶湖が見えるようにと湖岸側に席を取ったが霞がかかっていて、青い湖の期待は外れた。
電車は駅ごとに乗客を降ろしていく。堅田でかなり降りる。さらに進むにつれて乗客が降りていく。乗る人はいない。和邇を出ると蓬莱である。蓬莱といえば551の蓬莱ですな、などと誰も笑わない枯れた雑談が臆面もなくできるほど空いている。
終点の近江舞子では片手で数えられる人数が降りて、それで全部であった。近江舞子は夏休みだけは遊泳客で賑わう。季節外れの今は水上バイクの爆音が響くのみである。かような人工音に耳をふさげば山の方からツクツクボウシの鳴き声が届く。トイレ以外にこれといった設備はなく、過疎化した新幹線の駅のような近江舞子駅であるが、ぶらり旅の途中下車であればどうということはない。次の列車の時刻すら気にならない。のどかだ。忘れた頃に特急列車がけたたましく通過していく。鈍行で旅をすると特急が異界の乗り物に見える。
近江今津駅で敦賀行きに乗り換え、滋賀県の最北端、近江塩津駅で北陸本線の列車に乗り移る。
余呉の海を右手に眺めたかと思えば左手に己高山や伊吹山を眺め北国街道と並行して快走する。湖西線よりも乗客は多い。4両編成だと少々立ち客が出る。高校生の姿が目立つ。
米原着。乗ってしまえばすぐであった。しばしの禁酒から解放される。よく冷えたビールがありますように。期待に胸をふくらませて乗り場をうろつく。が、改修された米原駅は昔とは勝手が違っていた。新幹線の改札横にあったみやげ物コーナーは今はない。東海道本線上りの乗り場でそば屋が営業しているが生ビールはない。東海道本線下りの乗り場に戻って、キオスクでヱビスを買った。250円もしたが選択肢はこれしかない。ないないづくしの米原駅は賑やかだった頃を知る汽車旅愛好家はがっかりすること確実である。
待つほどもなく始発の各駅停車が入る。シートに腰を下ろして、待ちかねた。さあ一杯やろう。ほどよく冷えているので、うまいヱビスがさらにうまい。お疲れ様。今度は疲れているので言葉に間違いはない。うまいビールがないのは困るが間違いがないのはよいことだ。
隣の彦根駅に着くまでにやっぱりビールを飲み干してしまった。けれど京都に帰って居酒屋で生ビールを飲む。それまでの1時間程度なら我慢できる。
京都着。駅前を探検して「きんぎょ・に」という店を見つけた。何度か前を通ったことはあるが入るのは始めてである。およそ居酒屋らしくない名前の店であるが、百聞は一見に如かずである。入ってみることにした。
生ビールはキリン一番搾りであった。店を探してくたびれたので本当にお疲れ様である。
乾杯!
これもほどよく冷えていて美味しく飲めた。焼き鳥の盛り合わせ、青物、日本酒などを食べ、飲む。
雑談も進む。そろそろ車でも買おうかとユキちゃんが言う。やっぱりアルファロメオでしょうかね。ポルシェも故障が少ないからお勧めだけど。いやポルシェは知り合いが乗っているので絶対に避けます。とすればアルファロメオしかないな。ポルシェは個人的に大好きだけど、味はラテンな車がいい。ならばマセラティが捨て難い。IHI(石川島播磨)のタービンを積んだビトルボ系が小ぶりでパワーがあったが、今のモデルは大きく重くなりすぎた気がする。故障も気になるところであるが、頑丈さを考慮に入れるならばセミクラシックの領域にはなるがフェラーリ328GTBもよかろうという話になった。どの車にするかは、もちろん宝くじが当たったらという前提での話だ。空想はネタが盡きないだけに楽しい。
しかし現実的な話もした。たまには仕事を終えて夜から車を飛ばしてどこかへ行ってみようではないか。若い頃はお茶するだけで姫路だの岡山だの、今ではあり得ないところまで気の向くままに走って行った。機会を見つけていずれやってみよう。ナイト・ドライヴは楽しいのである。
ここには書けない話も沢山したが、そこそこ飲んで食べて二人で大体4000円程度であった。
旅仲間と飲む酒はうまい。

【記事に関連した写真・・・】

シルクヱビスの写真

汽車旅はシルクヱビスとともに始まった。

和邇の写真

平和堂和邇店の屋上にあるワニの絵。斜めになって見づらいが、∞のようなデザインで輪2=わにのロゴが見える。

近江舞子の写真

この117系電車はここ近江舞子で折り返して京都に戻る。国鉄の車両はどこか人間臭いところがあるから好きである。

近江舞子の謎のスイッチの写真

近江舞子の謎のスイッチ。何に使うのかよく分からない。錆びついてはいるがおそらく現役だろう。下手に押すと列車が止まりかねないので好奇心を必死で抑えた。

野焼きの写真

北陸本線余呉駅で見た野焼きの風景。都会周辺ではほとんど見られないと思う。

金ヱビスの写真

米原駅で苦労して入手した金ヱビス。次の彦根に着くまでに空になった。

日暮れの写真

東海道本線を下るうちに日が暮れてしまった。

一番搾りの写真

京都駅そばのきんぎょ・にで飲んだ一番搾り。疲れた身体にぐっとくる。きんぎょ・にの「に」は2号店の「に」だそうだ。

美しい鴨川の写真

日本酒は「美しい鴨川」。佐々木酒造製造の純米酒。まずくはないが特徴もこれといってない。無難なお味ゆえかお値段も500円と安かった。

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