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2006.02.15

【本】JR全線全駅下車の旅

旅客鉄道線全線の全駅に乗り降りした横見浩彦さんがご自身で踏破記録を綴った本です。もと新人物往来社から出ていた同じ著者の「乗った 降りた JR四六〇〇駅」の新装版という性格のもの。そういえばこの方、以前TVで花束を受け取っているのを見たことがあります。私鉄も全ての駅を乗り降りしたそうです。今にして思えばその私鉄駅完全下車の時に中継されていた番組だったのでしょう。
著者の肩書きは「トラベルライター」となっていますが、実際は何で食べているのか分からない怪しさがあってこうした人が歳月を費やして打ち込む全駅下車とはどんな旅なのだろうかとなおのこと興味がわいてきます。
国鉄全線を踏破した記録を文学的に綴った故・宮脇俊三さんの「時刻表2万キロ」が話題になったのをきっかけに国鉄が一般人向けにチャレンジ20,000キロのキャンペーンを開始し、それらに刺戟されて国鉄全線を完乗(=完全乗車)した人も結構多いのではないでしょうか。わしもそこそこは乗ったほうですが全線完乗など迂遠な話でいつ達成出来ることやらまるで分からない状態です。まだ乗っていない、または一部乗り残している旧国鉄路線を書き出してみると以下のようになります。

<北海道>
江差線
<東北>
岩泉線・大船渡線・気仙沼線・石巻線・仙石線・只見線
<関東>
水戸線・水郡線・烏山線・日光線・吾妻線・成田線・東金線・外房線・内房線・久留里線・鹿島線・武蔵野線・南武線・京葉線・相模線・川越線・埼京線
<信越>
弥彦線・越後線
<東海>
身延線・飯田線
<北陸・関西>
完乗
<中国・山陰>
芸備線・福塩線・三江線・木次線・可部線・宇部線・山口線
<四国>
徳島線・牟岐線・土讃線・予土線
<九州>
博多南線

貧乏暇なしの毎日ゆえこれでは全線完乗など夢物語です。関東地方は特に未乗線区の宝庫という状態です。線路の上を走るだけでも大変な苦労なのに全ての駅に降りるのは苦労を通り越して修行、いや荒行ですな。アルバイトで貯めたお金を有効に使うために食事を切り詰め、目的地までは出来る限り料金不要の快速や普通列車で移動する。駅ではただ乗降するだけではなく駅ごとに略図も描く。わしなど略図や写真はおろか記録らしい記録は全くといってよいほど取らない性質なので何年何月にどの路線を完乗したのかはほとんど分からない状態です。記録を取っても散逸してしまったり家人に要らないものとして捨てられてしまったりで手元に旅をした証明となるものはほとんど残っていない状態です。別に誰に自慢するわけでもない独り善がりな趣味なのでそれはそれで良いと思っていますが・・・。いよいよ終着点が見えてきたときにこれまでの記録を収めた電子手帳を紛失して著者が落ち込む場面があります。駅の略図を手で描くというアナログな作業をする一方でデータ保存には電気仕掛けの手帳のお世話にもなっているアンバランスさが面白い。ディジタルは大量のデータから目的のものを短時間で見つけ出すには有効であるもののデータをしっかり保存するのであればノートやカードなど紙媒体が一番確実で便利であると自身の乏しい経験から感じます。
この本を読んだ後「変わった人もいるものだ」と思う方が大半でしょうし、鉄道ファンの中には憧れを持った方もいらっしゃるに違いありません。また或る人は「人間やると決めたことは続けていれば必ず成し遂げられる」という思いが心に芽生えるかもしれない。何かと先行きが暗い世相が伝えられる中、こうした道を極めた人の本を読むと多少なりとも前向きな力がわいてきます。
願わくは駅舎に関しては写真のみならず著者手書きの駅の略図にてもう少しふんだんに紹介して欲しかったです。いずれ画集のような形で出版されるのであればちょっと見てみたいです。

JR全線全駅下車の旅
横見浩彦・著
KKベストセラーズ・刊 ISBN4−584−18910−2
本体価格1524円

■著者のサイト
▼横見浩彦WEB鉄道

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コメント

おやおや、鉄のご主人が関東食べ残しとは不甲斐ない。鬼嫁に苦言を呈しておく。
北海道/九州をほとんど制覇しているのはさすがですな。
埼京線、相模線などは120円旅行でお安く完乗できると思われ。
次回遠征の際にはご検討を(笑)。

投稿: ゆ爺 | 2006.02.17 02:14

ゆ爺ご主人、コメントありがとうございます。
関東圏の乗り残しが多いのは僕の落ち度です。路線の端っこの方は乗っていたりもするのですが全線はなかなか大変ですよ。参ったな。首都圏の電車はその多くが旅情薄い通勤車両というのも後ろ向きになってしまう要素のひとつです。
ところでご主人は国内全航空路全空港制覇は目指さないのでしょうか。期待しています。

投稿: うえの | 2006.02.17 08:14

はじめまして。
最近宮脇氏の作品を集め始め、それがきっかけで鉄道を「読む」ことにも随分興味が出てきました。
鉄道の世界には挑戦すべきことがいろいろあるんですねぇ。
考えても実際それを実行に移せる人はやはり凄いと思います。
私も色々乗りつぶしたりしますが、やっぱり近場や通勤路線ってのはなぜか手が出ませんね。

私も京都なもんで餃子の王将ネタなんかもツボなポイントです。
その王将の昔のラーメンでは兄が食後に気分が悪くなってもどすという小事件が起こったんですが、今は進歩したんですね。
色々町で割引券配ってて大丈夫なんかと思ったりしますが。

投稿: srail | 2006.03.04 11:46

srailさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、駅弁を制覇しようとか駅そばを食べ比べてみようなど挑戦のネタがたくさんあるようです。
宮脇氏の著作は角川文庫から比較的たくさん出ていますが、過去たくさんあった新潮文庫からは多くが絶版処分になっているようです。氏の著作はずいぶん買い集めたのですが不幸にして散逸してしまい、今また地道に買い揃え始めたところです。
『時刻表2万キロ』はもう何度も読みました。無駄がなくて余韻ある文体は真似できそうでできないですね。
ところで、餃子の王将に関してある人の話が面白いです。ある日腹痛を覚えたので内科医院を訪ねると医師が「最近王将で食事なさいましたか」と問うたそうです。もちろん昔のことです。今は普通の衛生観念はあろうかと思いますので大丈夫でしょう(笑)。

投稿: うえの | 2006.03.04 12:28

私も最近ずっと宮脇氏の作品の収集をやっているところですが、氏の著作の行く末は気がかりですね。
今はネットでも探せるようになったので便利ですが。

王将でネタができるなんて、昔は相当だったんでしょうね(笑)

唐突な話になりますが、リンクのお願いはここでさせてもらってもよろしいでしょうか?

投稿: srail | 2006.03.05 17:39

srailさん、こんばんは。
リンクに関しては特に制限を設けておりませんのでご自由になさっていただいて結構です。こちらからも後ほどリンクさせていただきますね。
王将のタダ券といえば繁華街のお店でホームレスの旦那が餃子をもらいに来る風景をたまに目にします。店のおっさんもイヤな顔もせずアツアツの餃子を渡しているのはちょっとほのぼのします。

投稿: うえの | 2006.03.05 21:46

リンク張らせていただきました。
思うにあれは王将の福利政策かもしれませんね。

またお邪魔させていただきます。

投稿: srail | 2006.03.07 18:06

srailさん、おはようございます。
リンクしていただき、ありがとうございました。こちらからもリンクさせていただきました。
こちらこそ今後ともよろしくお願い致します。

投稿: うえの | 2006.03.08 04:18

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